名古屋|音楽を仕事にする方法について|仕事を作れないと搾取される?
最低賃金の件で色々と綴りましたが、このまま行くと基本音楽の仕事は業務委託契約で任されるか、法的にアウトな仕事になるかどちらかだと思います。
音楽を仕事にすることを志す人が基本的にあまりお金がないため、低賃金の仕事でも引き受ける現象が発生し
さらなるデフレスパイラルを生んで、低賃金化は進み続けると思います。
そんな中、お仕事をいただける状況の作り方を過去の経験から論じていきたいと思います。
求められる状況を作ろう
初っ端から僕のポジショントークになりますが、過去にサポート演奏やらレコーディングやらで仕事をいただいていた経験から、仕事の取り方について説明します。
基本的には『相手から求められる状況を作ること』かなぁなんて思います。
僕が踏んだ手順は
① 自身のバンドを市内規模である程度名前が知られるようにする
② アコースティック系のライブをたくさん観に行く
③ カホン(パーカッション)演奏サポートを営業して、ライブ出演案件をいただく(初期はどうしても安値にはなる)
④ ライブたくさん出演しているうちにSNSなどを通じて勝手に『たくさんサポートやっている人』と思われるようになる
⑤ 依頼をいただけるようになれば、スタンダードなギャランティでマウントが取れるようになる
こんな感じでした。
ここで大事なのは、ありがたいことに1年くらいすると自分から営業的なことをしなくてもご依頼をいただける状況になった点です。
自分がサポート演奏している模様をSNSを通じて拡散してもらえれば、仕事&営業が同時に成立していたので、特に営業周り的なことする必要はありませんでした。(我ながらコスパ良い)
『なんかたくさんサポート演奏している人だし、多分きちんとこなしてくれるだろうなぁ〜』という信用が自然に確立されるので
冒頭で記載した『相手から求められる状況を作る』が成立したわけです。
『誰か仕事下さい』スタイルだと低賃金で使われる可能性がある
以前、別の記事『仕事は仕事を生み出せる人の所に流れやすいよね』でも綴りましたが
基本仕事を生み出せる人の元に仕事は舞い込んできます。
『仕事を生み出す』というと少し堅苦しいですが、イベントだったりセッションだったりレッスンだったらなんでも良いわけです。
今なら音楽にまつわる動画をたくさんあげて再生回数稼げているYouTubeアカウントの持ち主もその1つになると思います。
仕事を生み出せる人は、依頼が来た時に『その時間自分の仕事に当てていればどれだけお金を稼げたか?どれだけのパフォーマンスを発揮できたか?』と比較します。
あるいは、『その仕事をすることで自分にとってどのような利益が生まれるのか?』についても考えるでしょう。
では、『誰か仕事下さい』スタンスの場合どうなるでしょうか?
少々乱暴な言い方になりますが、自分で仕事を生めない以上、相手が提示した値段に対して適正か否かの判断がつかない可能性があります。
とりあえず仕事が欲しいので、1日拘束されて¥5,000くらいしか利益が生めなくても平気で受けたりすることもあると思います。
『いや、音楽の仕事ってそんなもんだから』論は一回捨ててください。
仕事を生み出せる人は全体を見据えられるので、母体に入る金額に対して自分に与えられる報酬が適正か否かを判断する能力があります。
例えばイベントなら『あれ?今回の野外イベント1バンドに対して出演料¥12,000とっておいて、8バンド出演しているのに一日中手伝って報酬¥5,000っておかしくね??』と頭が回るはずです。
機材費・施設利用料などを考慮して自分の適正価格がすぐに計算できるからです。
いわゆる『搾取』に敏感になります。
『仕事下さい』スタイルでいると、基本組織の歯車になるため、全体を俯瞰してみることができず、どうしても適正価格が否かの感性が鈍くなります。
仕事を生み出すスキルは、その場の利益以外に考え方や頭の回るポイントに変化をもたらします。
その場の利益が少額であっても、できることから自分のビジネスを持ってみると、捉え方が変化して面白いですよ。
音楽を仕事にしたい方の参考になっていただければ幸いです。
谷口 峻路