名古屋|音楽を仕事にする方法について|バンド活動は会社経営と似てる説〜活動維持費・投資編〜
昔、某先輩バンドマンがライブの打ち上げで『バンド活動ってのは、会社を経営するのと同じようなもんだよ〜』と語ってらしゃいました。
当時からほぼ同意見を持っていた僕は、その先輩に『それでは、経営のお勉強は何かされていらっしゃるのですか?』と聞くと
『いや、そんなのやってない』と言われました。
学ばずともこなせる天才か、自分の矛盾に気づいてない頭の悪い人かどっちかだな、と思いました
一応基本的な経営知識を学んでいる僕ですが、パッと思いつく箇所をあげると
・バンドを作る = 起業
・バンド名 = 会社名
・バンドメンバー = 役員
・バンドにかける費用 = 予算・資本金
・バンドメンバーの役割分担
① 作詞作曲 = 商品開発・設計
② スタジオ練習 = オリジナルブランド商品製作
③ レコーディング = オリジナルブランド商品の完成
④ 活動方法 = 企業理念・企画立案
⑤ ライブ宣伝 = 広報担当
⑥ ライブハウスへの売り込み = 営業活動
⑦ 事務所 = 取引先・業務委託契約
・解散 = 倒産
ざっくりこんな感じ
そんなわけで、経営者目線でバンド活動は会社運営とどの辺りが似ているかを論じていきたいと思います。
バンドで売れる = 会社で売り上げを立てる
『バンドで売れたい』『売れるミュージシャンになりたい』
多分バンドマンに目標聞いた時の95%くらいがこれに類似する返答をいただくと思います。
僕ももう5000回くらい聞いてます
ただ、『会社の目標』とやらを社長さんに聞くと『利益を上げたい』が基本になるので、間違ってはいないと思います。
ということは、極論利益を上げている会社の経営方法をマネすれば、売れるバンドのヒントになるんじゃないかなぁと思ったりします。
しかし、だからと言っていきなりGAFA(Google・Apple・Facebook・Amazonの4社のこと)のマネをするのは現実的ではありません。
ここでは、出来るだけ伝わりやすくするため中小企業が成長していく過程をイメージして論じていこうと思います。
活動維持費を抑えよう
経営の基本として赤字を生まないのは大前提になります。
毎月赤字の場合、当たり前ですがすぐに倒産します。(国の補助金おりまくってる会社は除く)
バンドでいう解散ですね。
赤字を生んでしまう基本的な構造としては、単純に『利益 < 出費』だからです。
以前、バンドの維持費ってどのくらい?でも綴りましたが、何も考えずにバンド活動していると毎月¥86,000の赤字になります。
仮に利益を生めなかった場合、1年後には100万円を超える赤字決算することになります。
もしめちゃくちゃ集客してグッズも販売して月に¥86,000売り上げを立てれたとしても、トントンで利益0(役員報酬も0)です。これでは到底やっていけません。
とりあえずこの活動維持費をどうにかするべきでしょう。
削減すべき活動維持費〜①スタジオ代〜
音楽スタジオ業界に何の恨みもありませんが、単なる事実をお伝えすると2時間のスタジオを週に2回利用しているバンドのスタジオコスト(交通費込み)は1ヶ月で¥51,200です。
これは抑えるべきでしょう。
僕もバンド時代は感覚としてありませんでしたが、基本的にスタジオはリハーサルを行う場だと考えた方が良さそうです。
つまり、ある程度演奏が決まっている状態で行うアンサンブルの練習場であると考えた方がベター。
もしコード進行もあやふやな状態でスタジオに入ろうとしていたら、正直考え直した方が良さそうです。
『とりあえず合わせてみたけど、なんか違ったね』で1回のスタジオを棒に振った場合、スタジオ代¥4,000 + ¥2,400(全員の往復交通費合計)= ¥6,400を無駄にした自覚を持ちましょう。
最近ではDTMの精度も高いので、ある程度バンドサウンドが打ち込み音源で固まるまでは、誰かの家でアレンジのミーティングをした方がコストもかかりませんし良いかと思います。
『そんなん難しいし効率悪くてできねぇ〜よ』って思う人は、自分の平均時給と照らし合わせてスタジオのコストを考え直してみましょう。
削減すべき活動維持費〜②ライブ代〜
よくよく考えたら多額を支払う状況でライブ活動するのは、現代社会ではめちゃくちゃ異常な状況だと思ってます。(趣味の方々は楽しく行うのが目的なので別です)
動画コンテンツが普及していなかった2010年あたりまでは、まだ納得できます。
しかし、間も無く5Gが参入しようとしている現代社会は、スマホでどこでも動画コンテンツを視聴できます。
最初から赤字が決まっているようなライブ組むくらいなら、その分DTMなりマイクなりカメラなりに投資してコンテンツ発信をし、黒字が見込める状況になってからライブ活動を始めないと赤字に拍車がかかるだけです。
『いや同年代のバンドとの繋がりや先輩のコネができるから』と思う方は同じイベントに出演している他のバンドマンの集客人数を数えてみてください。
そのバンドが赤字の場合、赤字バンドの繋がり増やすだけなので
その方々と情報交換したところで今後のために生きる知恵は大して得られないと思います。
因みに僕が過去にやっていたバンドは、週1で路上ライブ活動をしていました。
路上ライブはほぼコスト0で行えたし、法的にグレーですがCDも買ってもらえていたので交通費・駐車場代も賄えちゃってました。
結果お客さんもついていたのでチケットの売れ行きもわりと好調で、正直後半の約1年半は赤字のライブをした記憶がありません。
スタジオも総合文化施設の音楽スタジオを使っていたので、3時間くらい利用しても¥1,000前後で済みました。
まぁそれでも利益はほぼ生めていなかったので、企業としては優秀ではありませんが。。。
黒字を生む投資方法を考えよう
『借金』と聞くと悪いイメージが先行するかもしれませんが、世の中には『良い借金』も存在します。
それは『今後利益を生む期待ができる借金』
中小企業も銀行から借り入れしますが、あれも会社の成長のために使われるのであれば『良い借金』になりうるでしょう。
例えば、売れると見込まれる商品を製作・販売するための投資は
後々黒字が生めれば『良い借金』になり得ます。
さて、バンド活動にとっての『良い借金』とは何でしょうか?
先ほどの『削減すべき活動維持費』でも触れましたが、最低限度のコンテンツ(曲)制作のためのDTM・パソコン・宅録機材
SNS・YouTube・SHOWROOMを使ってお客さん確保のためのコンテンツ発信をするためのカメラ・マイク等
この辺りではないでしょうか?
アレンジ・作曲・音源制作・広告・集客には正直かなりのコストと時間がかかるので
一挙にコストを縮小してくれるものに本来お金を投じるべきです。
以上、今回はバンド活動は会社経営と似てる説〜活動維持費・投資編〜でした。
まだまだ書きたい事山のようにあるのですが、そろそろ3000文字超えそうなので次回に続きます。
音楽を仕事にしたい方の参考になっていただければ幸いです。
谷口 峻路