だいばーしてぃー

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谷口峻路です。自営業で主にドラマー・ドラム講師・リトミック講師・放課後等デイサービス指導員をしております。プログラミングを独学で習得し、コーディングの仕事を探しております。旅もしております。

名古屋|音楽を仕事にする方法について|価値は社会が決めている

CDが売れないと嘆かれる昨今ですが、僕が中学生の頃(2003年)には既に『MX』という音楽を無料ダウンロードできるサービス(もちろん違法)があったので、中学生ながら『多分将来CDは売れなくなるんだろうなぁ〜』とぼんやり考えていました。

 

 

バンドマン・ソロミュージシャンに関わらず、『音源』というのは音楽を仕事にする上で切っても切れないものだと思います。

 

誰でもスマホと言う名の常時接続デバイスを持ち歩くネットワーク社会になった昨今で、音源とどう向き合っていくかについて個人的な見解で論じていきたいと思います。

 

 

 

音楽がタダで聴けて当たり前の現代

 

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まずとっても残念なことに、現代社会において『楽曲』そのものに価値をつけるのは非常に困難です。

 

 

2005年にYouTubeが・2006年にニコニコ動画がサービスを開始し、その後当たり前のように音楽がネットで聴ける社会になり早十数年経過し、

 

最近ではSpotifyApple Musicなど音楽のサブスク化(月額定額制)が後を絶ちません。

 

 

いちいち街頭アンケートをとったわけではありませんが、サブスク化が進んだ以上一般的に音楽は『限りなくタダに近い金額で聴くもの』と言う認識になっていると思います。

 

 

この時点で既に『音源』を売るのは無理ゲー感ありますが、追い討ちをかけるようにCDについて考えていきたいと思います。

 

 

 

理由がないと売れないCD

 

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安室奈美恵さんが引退の際『Finally』をリリースされて、売上枚数は100万枚を超えて話題になりました。

 

 

音楽業界が不況な中で、頑張ってCDを売ろうとしている方々に良い刺激を与えているように見えますが、実際合理的な理由があって売れていただけだと考えています。

 

 

 

まず安室奈美恵さんのデビュー当時の社会を思い出してみましょう。

 

 

安室奈美恵さんがデビューされたのは1992年9月16日(Wikipedia参照)

 

その後1995年10月より小室哲哉さんプロデュースの元数々のヒット曲をリリースされました。

 

 

90年代はCDの売り上げが凄かったと言われていますが、

この頃はネットも普及しておらず、人々が音楽を聴くための主流の媒体がたまたまCDだったと言う点も大きいのではないかと考えています。

 

 

 

 

思い出と経済力

 

 

人々の購買意欲には心理的要因が働きます。

 

つまり、人がお金を出すときは能動的に『お金を出してそれが欲しい』と思わせる動機が必要になってくると言うことです。

 

 

先ほどの安室奈美恵さんの引退時のCDが売れた理由で僕が考えるのは3つ

 

安室奈美恵さんのデビューした時代がCD全盛期のため、彼女の作品を当時と同じように『CDで買いたい!』 と思うお客様が多かった。

 

②90年代にファンだった人の平均年齢が現在40代前後のため、経済力があって気軽にCDが買えた。

 

③ 最後の作品だから『物』として残したかった。

 

 

キングコングの西野さんも語っていましたが、自分の思い出に対してお金を出すハードルは下がりやすいです。(お土産をついつい買ってしまう等)

 

 

 

アイドルの握手券・投票権然り、CDを売るためにはいかに付加価値をつけていくかが重要な気がします。

 

 

顧客の年齢と経済力は考えるべき

 

バンド・ソロ活動問わずインディーズとして音楽活動をしている人の多くが20代前半〜20代半ばの若者だったりします。

 

すると、その人たちが作詞作曲して演奏する曲は若者対象な曲にどうしても偏ります。

 

さらに、"ライブを見に行くくらい時間がある"・"ライブをしているバンドマンとお話してみたい"という点も含めて

基本バンドやソロシンガーのライブにファンとして来てくれるのは、若者中心になります。(女性ソロシンガーの場合おじさんが来る率高めですが、今回は割愛します)

 

 

つまり、インディーズミュージシャンの顧客対象は、ほっといても若者に偏っていきます。

 

 

 

では、顧客対象の価値観に目を向けてみましょう。

 

 

現代の若者は完全にスマホ世代のため、この記事の冒頭で綴ったサブスクをフル活用して音楽を聴いていることが予想されます。(YouTubeも含めて)

 

 

さらに経済力もたいしてないため、一つの作品(CD)に対して4桁単位のお金を払うハードルが非常に高いです。

 

 

 

結果、頑張ってもなかなか買ってもらえない状況が生まれてしまうわけです。

 

 

 

 

商品の価値は社会が決めている

 

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タイトルの話題に戻りますが、音源の値段でさえ基本的には社会の影響を受けます。

 

 

苦労して作り上げた作品ゆえに、当事者としては少しでも高い値段で売っていきたいと思うかもしれません。

 

 

しかし当事者の苦労とは裏腹に、若者で『音源』に対してお金を払える人の割合は減っていると思います。

 

音源に対して『価値』と言う言葉を使うと、作曲者側の気分を損ねそうですが、商売する以上避けられない考え方だと思います。

 

 

現場で購買活動するよりも、YouTubeSNS等で基本無料公開していくスタンスの方が広告にもなって良いのではないかなぁ〜と感じる今日この頃です。

 

それで知ってもらえて音源をお金出してもらえればさらにお得ですし。

 

 

 

 

以上、音源を売る難しさについてあれこれ論じてみました。

 

音楽を仕事にしたい方の参考になっていただければ幸いです。

 

 

 

谷口峻路

Twitter@8Tossy