デジタル時計が読める子に、アナログ時計の読み方を何ヶ月も教え続ける必要はあるのか?
放課後等デイサービスなどでは、自立支援のために必要なことを訓練する「療育」を行うところもあります。
靴紐の結びかた・色分けにカゴにしまう訓練・お買い物を想定した簡単な計算の訓練など様々ですが、今回はアナログ時計について思ったことを記事にします。
デジタルだとわかる子は結構多い
先日、放課後等デイサービスに通う子どもに時間を聞いてみました。
てんかん発作もちで知的に障害がある小学6年生の女の子です。
ねぇねぇ、これ何時かわかる??
・・・、2じ〜〜、、、11ぷん!!!
・・・やっぱりそうくるかぁ〜💦
あるあるですが、長針をそのまま「分」にして読みます。
因みに彼女の場合は【短針=時・長針=分】の順で答えてくれたので、比較的理解している方だと思います。
しかし、ここまで理解している子にも
①短針が1と2の間にある場合は、ずれ方に関わらず1時代
②長針は数字の5倍をする
③さらに長針も数字の間にある場合はずれ方により多少の変動がある(56〜59分など)
というのを教えるのは非常に難しいです。
しかし、彼女に次の画像を見せた時は
1じ56ぷん!!
と即答です。
同じ要領で他の子にも聞いてみましたが、アナログ時計で答えられなくてもデジタルなら即答できる子はたくさんいました。
因みに1年生でまだ時計を習っていない子でも読めました。
デジタル時計はとてもわかりやすいのですね。
4本あるように見える子もいる
発達障がいの特徴として、私たち大人が注目しない所に目がいってしまうこともよく挙げられます。
1枚目のアナログ時計をもう一度よく見てみましょう。
長針・短針ともにお尻から少しだけ針がはみ出しているのがわかると思います。
中にはこれを見て
5じ〜〜・・・ん?8じ??
となる子もいます。
そりゃーわかりませんってなります。
そうなると、お尻から針がはみ出しているタイプの時計の場合
まず2番目に長い針をみて何時代か確認して、その後1番長い針をみて数字を5倍して分を答えるのだよ!!
という説明になってしまいます。
これはいくらなんでもハードル高いですね。
秒針が邪魔
さらに世の中にあるアナログ時計には厄介者がいます。
そう、常に動き続ける「秒針」です。
写真の時計にはありませんが、世の中のアナログ時計には秒針も含まれていることがあるのは皆さんもよく知っていることだと思います。
秒針もお尻から針がはみ出しているタイプの場合、時計の中に針が合計6本あることになります。しかもそのうち2本は常に動き続けています。
さらに、人は本能的に動き続ける物に目がいく癖があります(特に男の子)
どうしても目がいってしまう秒針を頑張って無視して、残された針の情報から時間を導き出さなければなりません。
発達障がいを持つお子さんが「もぉ〜〜〜無理だよぉ〜!!」となっても仕方がないと思います。
アナログ時計の読み方を教え続ける理由は?
結局上記のことが原因でアナログ時計が読めるようになれない子は多くいると思います。
しかし、デジタルでことが足りるようであれば、デジタル表示の腕時計を着用させれば良いことですし、今やスマートフォンでいつでも確認できます。
「何分後に作業をやめる」などの指示の場合も、スマホのタイマーでセットすれば大丈夫ですし、今の子どもが大人になる頃には、スマホどころかグラス型のデバイス(メガネのようなもの)も安値で手に入ります。
予定時間になったらポケモンGOみたいに目の前に文字やキャラクターが現れて、知らせてくれるアプリも簡単にできると思います。(下手したら『画像認識』でアナログ時計を見た瞬間デジタル表示に直すのも可能になると思います)
アナログ時計の読み方を教えること自体はもちろん否定はしません。
読めることに越した事はないです。
しかし、対応方法が溢れている状況において、わかるまで長時間費やして教える理由はあるのでしょうか?
療育にせよ学校からの宿題にせよ、時計の読み方に関して1年以上同じことを教えている様子をみると、首を傾げてしまう僕であります。
SNSからでも構いませんので、コメント頂けますと幸いです。